2009年06月16日
ラトル/BPOのエレガントな「幻想」
ベルリオーズの幻想交響曲といえば、第1楽章ロマンティック、第2楽章優雅、第3楽章不吉、第4楽章騒乱、そして第5楽章狂気というシナリオになっています。
ストーリー性の高い曲ではありますが、昨今の演奏は第3楽章までエネルギーを溜め込んで、第4楽章〜第5楽章で大暴れというものが多い中、サイモン・ラトル/BPOのこのディスクは、エレガントとでもいうべき気品と精緻なアンサンブルで聴かせる演奏です。
特に第4楽章、第5楽章。一般にここはいかに理性をかなぐり捨てて、「音楽的に汚く」演奏するかに腐心している演奏が多いですが、ラトルは最後まで「きれいな」演奏を繰り広げます。
人によっては物足りない印象を持つかもしれませんが、聴きこむほどに曲の輪郭が見えてくる、素晴らしい演奏です。
2009年06月07日
小林万里子 芸能界永久追放フェミニズム御用達ブルースシンガー
デビュー曲「れ・い・ぷフィーリング」が見事放送禁止になった上、艱難の末に録音されたファーストアルバムも、あまりに凄すぎる歌詞のために封印された、幻の関西ブルースシンガー小林万里子。
幻のデビューアルバムが、十数年の時を経て2003年に復刻されたのがこのCD。
女の醜さと男への恨み辛みに満ちたこのアルバム。とにかく凄いです。
生理のことを醜く歌う「日の丸ブギ」、タイトルだけで内容のわかる「便所のブルース」「中絶のブルース」など、どれをとっても永久封印されかかったのが納得できる内容です。
ひそかにフェミニストが好んでいるらしいですが、フェミニストのホンネがブスの怨念であることが、改めて確認できる迷作です。
2009年05月30日
【Emserson Lake&Palmer】楽器の不便さが音楽を豊かにする(こともある)
ELPに限りませんが、歴史を追ったライブクリップ集というのは、実にありがたいです。と同時に、このバンドが一番面白かったのは、71年前後かなぁと思うわけです。
制御できないムーグシンセが、あっちこっち暴走してわけのわからない音を出し続ける様態は、現在のコンピュータ制御のキーボードではどうやっても出せない迫力です。
もちろん、バンド自体の持つ勢いも最高潮でした。
2枚組の「ワークス」発表後は、迷走と評されますが、バンド自体のボルテージが極限まで達したのと同時に、キーボードがどんどん便利になっていって面白みがなくなったというのもあるんじゃないかなぁ。
1974年頃の機材が一番大がかりでド派手ですが、1977年頃になると、シンプルな機材で済むようになって、なんともこじんまりした機材と演奏が、痛ましくもあります。
というわけで、このライブ集ですが、「あの音たち」がどんな風に出されているのか、エマーソンを中心につぶさに見ることができる貴重映像集です。
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